2016年の大晦日に電王戦合議制マッチが開催されました。
試合の感想や結果について書いていきます。
今までの電王戦に関する記事はこちら
電王戦合議制マッチとは
プロ棋士3名 vs COM3台による将棋の試合でお互いに合議制の形を取ります。
プロ棋士側は森下卓九段をリーダーに据え、残り2名は森下九段の推薦したメンバーによって構成されています。
COM側は前年度の電王トーナメントの上位3台のPC。
棋士3名
- 森下卓九段
- 稲葉陽八段
- 斎藤慎太郎六段
COM3台
- ponanza
- nozomi
- 大樹の枝(Apery)
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中盤戦でじわじわ差を付けられる
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横歩取りから角交換をして駒組みをした段階がこちらの状態。
評価関数の点数が互角になっている最後の局面を載せてみました。
このあと先手は3八金と上がるんですけど、そこから8筋を攻められてジリ貧のままノーチャンスで終局する展開に・・・。
特別悪手には見えないんですけどね。
ソフトの見立てとしては、8筋を攻め立てて後手が優勢になると見ているのでしょう。
恐るべし。
序盤に粗など無くなった今、もう人間で勝つのは難しいかもしれませんね・・・。
人類を終わらせに来た手
後手の8六香を見て斎藤六段から名言が飛び出します。
斎藤六段「なんか本当人類を終わらせに来たみたいな手ですね8六香は」
COMはきっと数手前からこれが見えていたからこそ優勢の点数を付けていたわけで、打たれて驚いてる時点で人類側がノーチャンスだったのは納得な気もします・・・。
受け間違えたのもあったのかもしれませんが、これを食らってからは一気に悪くなっていきました。
結局このまま押し切られてしまいます。
一気にダメになるわけではなくギリギリまで粘れていたのはさすがプロだなと思いました。
COMの評価関数はかなり正確になってきていますね。
最近のトップソフトは序盤定跡を入れないのがスタンダードになっています。
COMはおそらく20手前後進んだ後に悪くならない手をひたすら指し続けているだけで、棋士側が勝手に悪手を指して終わるって感じなんでしょうか。
将棋は先に悪手を指したほうが悪くなる競技なので、序中盤の評価関数がかなり精度が上がってきた今、色々な組み合わせを20手前後読めるCOMには太刀打ちできないのかもしれません。
唯一勝てるとすれば一本道の変化で30手くらい進んで極端に局面が良くなる手順がたまたまあるときなどくらいでしょうか?・・・
COMはまだまだ強くなりますし、今後は本当に一切勝てなくなっていくのかもしれませんね。
以上、電王戦合議制マッチ2016の感想に関する記事でした!
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